非常に小型なタフネススマートフォン「Unihertz Atom(ユニハーツ アトム)」をクラウドファンディングサイト「Kickstarter(キックスターター)」で出資して入手したので簡単なレビューをします。
2018年12月24日 追記 : 日本のアマゾンで正式販売開始、価格は29,399円
目次
Unihertz Atom(ユニハーツ アトム)の概要
・世界最小LTEスマホとして好評なJelly/Jelly Proの後継機で、全体的な性能アップに加え防水防塵・耐衝撃のタフネスさを備えたモデル。
・NTTドコモ、au、ソフトバンクのBAND(周波数)に対応(フル対応では無い)、技適取得済なので日本国内でも問題なく使える。
・2つの電話番号が使えるDSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)対応
・SIMロックフリーなので格安SIMや海外で利用が可能。
・価格は259.99ドル(現在の価格)、日本での通常販売開始日と価格は未定
Unihertz Atom のスペック、仕様
CPU : MediaTek Helio P23 MT6763V/B 2.0GHz オクタコア
GPU : Mali-G71 MP2
ディスプレイ : 2.45インチ 432×240
RAM容量 : 4GB
ストレージ : 64GB(microSD対応upto256GB)
メインカメラ : 1600万画素カメラ
前面カメラ : 800万画素カメラ
OS : Android 8.1 Oreo
サイズ : 96.0 x 45.0 x 18.0 mm
重量 : 108g
バッテリー : 2000mAh
カラー : ブラック
Wi-Fi : IEEE 802.11 a/b/g/n
Bluetooth : v4.2
防水防塵 : 防水防塵(IP68)
接続端子 : USB Type-C
イヤホン端子 : 有り
認証方式 : 指紋認証センサー
その他 : VoLTE , デュアルSIM(nanoSIM) , NFC
ネットワーク : LTE 対応
GSM B2/3/5/8
WCDMA B1/2/4/5/8
TDSCDMA B34/39
FDD-LTE: B1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/18/19/20/25/26/28A/28B
TDD-LTE B34/38/39/40/41
CDMA2000 BC0/BC1
公式ページ(日本語)
https://www.unihertz.com/ja_JP/shop/product/atom-2
Unihertz Atomの外観
クラウドファンディングなので商品到着は遅れるだろうと思っていましたが、予定通り2018年10月初めに届きました。とても小さい外箱です。
付属品は、USBのACアタプター(5V/1.5A)、USB Type-Cのケーブル、説明書、画面保護のフィルム、SIMピン、ストラップです。
持った感じは108gとスマホとしては非常に軽いのですが、スマホ自体が小さいため少しズッシリした塊感があり心地いいです。
ディスプレイが2.45インチ(432×240)と小さいので操作はしにくいですが、タッチ感度は良好です。下部にはタッチ式のキーが並んでおり、中央は指紋認証センサーを兼ねたホームボタン、左右の白い丸の部分は戻るボタンと履歴ボタンになっています。
上部には通知ランプがついています。
衝撃に強そうなな外観でカラーはブラック、レッドがアクセントとなっています。背面の下部にはストラップホールが付いています。カメラはシングルレンズ。
下部は何も無し。普通のスマホの2倍以上の分厚さ(18.0mm)です。
上部にはイヤホンジャックが付いています。
左側面は音量キーとSIMトレー。
右側面には電源ボタンとカメラ起動や電話起動、アプリ起動などを割り当てることが出来るPTTボタン。設定→スマートアシスト→ショートカットキーの項目で割り当てることができます。
防水パッキン付きのSIMトレーはnanoSIMが2枚入ります。microSDは非対応です。
ストラップ穴もついています。幅は約9.5ミリ、高さは約1.5ミリぐらい。
大きさの比較
5.2インチのXperia XZ1との大きさ比較。
6.96インチのhonor Note 10との大きさ比較。最近のスマートフォンは大型化が著しいので、Unihertz Atomの様な小型スマホやカード型の携帯電話、コンパニオンデバイス「Palm Phone」などと組み合わせて使いたいという人も多くなってきそうですね。
Unihertz Atomのレビュー
日本語ロケールは最初から入っています。少し日本語が怪しい場合もありますが利用するには問題ないレベル。
Googleのアプリは一通りインストール、その他のアプリは少なく素のアンドロイドOSな感じです。コンパスや懐中電灯、レベルや高さ測定など実用アプリ、スマホをトランシーバーの様に使えるZelloアプリがは入っていました。
文字入力は画面が小さいので非常に困難です。私はQWERTY入力を使うのですがパスワード程度の短い文字列でも打ち損じが多々あります。
解像度(432×240)が低いのでYahooのトップページでさえも表示できる範囲が狭い。また文字も少しぼやけた感じです。web閲覧程度でも端末自体が小さいためか少し熱を持ちます。
ストレージは64GBで、デフォルトの状態での使用は8.61GBです。microSDには対応していないですが動画など容量の大きなファイルは扱うことは少ないと思うので容量不足になることは無いでしょう。
オサイフケータイ(FeliCa)には対応していない。NFCは搭載されているので残高の確認アプリで残高を読み取るだけなら可能。
画面は5点タッチ。画面が小さいので押しずらいですがタッチ感度は問題なし。
指紋は5本まで登録可能です。私の場合、指紋認証は失敗することが多く相性が悪いです。対策として同じ指を2回登録したら精度が若干良くなった気がします。顔認証の精度は悪くはないですが、小さい画面をのぞき込むために近づけ過ぎて失敗することが結構あります。
技適あり。Androidのバージョンは8.1 Oreoです。10月のアップデートがありバッテリー持ちやVoLTE対応などの改善がされています。
Unihertz Atom のバッテリー
バッテリーの持ちは容量は2000mAhと少ないため、普通にスマホとして使っていると一日ギリギリ持つかなと言った感じです。他のスマホと比べて待機しているときにバッテリー消費が速いです。
ATOMをテザリングしてWiFiルーター的に使おうと考えて購入したのですが、ノートパソコンとタブレットの2台をテザリング(データ量200GB程度)で4時間38分つないでバッテリーは97%から65%だったので、WiFiルーター的になら何とか使えそうなバッテリー持ちです。
DSDV対応
2つの電話番号が使えるDSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)対応です。音声SIMは1枚しか持っていないので通話(デュアルVoLTE)に関しては試す事は出来なかったのですが、SIMスロット1にIIJmio(NTTドコモ回線 通話SIM)、SIMスロット2にQTモバイル(ソフトバンク回線 データSIM)を入れると両方4Gの表示で、スロット1はVoLTEが表示(左側の画像の上)されました。
IIJmio(au回線 データSIM)とQTモバイル(ソフトバンク回線 データSIM)でも通信出来ましたがAPNは初期設定の中には入っていなかったので、自分でAPN設定しました。
海外でWiFiルーターとして使う
海外でWiFiルーター的に少し使ってみました。ダイヤル出来たり、設定アプリがそのまま使えるのは便利です。ただSIMを入れ替えた時に「モバイルデータ」が勝手にオフになることが多いので通信できない時はオンになっているかのチェックが必要です。
海外100カ国で使える海外プリペイドSIM「AIRSIM」を使ってみましたがアプリ表示も問題なしで普通に使うことが出来ました。(他の端末で一度使った「AIRSIM」の場合、再びActivation CodeやICCDDを入力し直す必要があるので番号を控えておく必要があります。)
https://phablet.jp/?p=35765
タイで通信のみ3日間のプランを契約しました。設定なしで繋がりましたが再起動は必要です。速度もまずまずでテザリングもOKです。
タイの現地SIMはダイヤル出来ると残高確認やプラン購入が簡単に出来るので非常に便利です。
タイの現地SIM(True Move H)の速度制限有りのプラン。テザリングも可能です。
カメラはメモ程度
カメラの画質は良いとは言えませんが、動作自体は軽快でちょっとしたメモ程度の用途ならつかえそう。
日本のSIMカードを入れている場合、大音量のシャッター音がなります。スクリーンショットを撮る場合も同様です。
リアカメラは1600万画素です。動画はフルHDの撮影が可能ですが映像自体が眠い感じでイマイチ、アクションカムがわりにジンバルに乗せて使おうかなと持っていたので残念です。
それなりには撮れる感じ。
オートで撮影。薄暗い場所で撮るとホワイトバランスの選択がアレなことも。
画面の解像度が低いので、スマホ上でピンボケも確認しずらい。
パノラマ撮影も撮影できるが、撮影時の水平判定がシビアで実用的ではない。
Unihertz AtomのAnTuTuベンチマーク、Geekbench 4
CPUはMediaTek Helio P23 MT6763 2.0GHz オクタコアでRAM4GBです。AnTuTuベンチマークの結果は84515、Geekbench 4のスコアはMulti-Coreが3671、Single-Coreが798という結果でミッドレンジクラスの性能で、HUAWEI P20 lite(Kirin 659 AnTuTu86887)やSnapdragon 630と同じくらいの性能です。
Unihertz Atom でゲーム
画面が小さいので操作は困難で、解像度が低いためにボタンなどがキチンと表示されないゲームがあるなどゲームには向いていない。
ingressでは表示の関係でプレイ出来なかったが、ingress primeではプレイできるようになっています。GPSの精度も問題なし。
PUBGはプレイ可能だったが、小さい画面で解像度が低いので遠くの敵が確認できないし、操作自体が困難。
ポケモンは一応プレイできた。
Unihertz Atom レビューまとめ
小さいので使う人を選びますが、思っていたよりもサクサクと動作し造りもしっかりしていて満足度の高い端末です。キャリア3社のVoLTEにも対応しているので通話専用端末として使ったり、2台持ちのサブとして使うのが向いています。
デメリットは、解像度が低いのでアプリによっては画面にボタンが表示されない場合があることや日本の製品の様な手厚いサポートを受ける事が出来ないことが挙げられます。
日本での正式販売はまだ開始されていませんが3万円以下なら買いだと思います。