Anthropic「Claude Haiku 5.5」発表、10万トークン以下のAPI単価をHaiku 4.5から90%引き下げ
Anthropicは2026年10月7日、生成AIモデル「Claude Haiku 5.5」を発表しました。大量のリクエストやコストを抑えたい用途に向けたモデルで、同日から提供しています。
Haikuは、Claudeシリーズで中でも処理速度と低コストを重視した軽量モデルでAPIだけでなくClaude.aiのチャットでも利用できます。Web版とiOS・Androidアプリに対応し、無料プランを含む各プランで選択できます。「Haiku」の名前は日本の俳句に由来します。AnthropicのCEO、ダリオ・アモデイ氏は、小型で高速、低価格のモデルに短い詩の名前を採用したと説明しています。
要約や会話履歴などの圧縮、データベースへの問い合わせ、分類といった短い処理を想定しています。コーディングでは、Opus 5.5やSonnet 5.5の作業を補助するサブエージェントとして利用できます。
Anthropicは、各モデルの標準速度で比較した場合、同社で最も高速なモデルと説明しています。ただし、Fast Modeで動作するOpusモデルよりは低速です。速度が求められる顧客対応やブラウザー操作も用途に挙げています。
Haikuの性能とベンチマーク
Haikuシリーズとして初めて、処理にかける労力を調整する「effort」設定に対応しました。利用者は、コストと処理能力のどちらを優先するかに応じて設定を変更できます。
公式に掲載された主なベンチマーク結果は以下の通りです。
・GDPval-AA v2.1:1620(Haiku 4.5は735)
・AA-Briefcase v1.1:1578(Haiku 4.5は614)
・OSWorld 2.1:オフラインの評価対象で72.4%(Haiku 4.5は15.7%)
・Humanity’s Last Exam:ツールなしで45.9%、ツールありで57.4%
・Terminal-Bench 4.0:39.2%(Haiku 4.5は0.0%)
・FrontierCode 1.1のMain:46.4%
・Chartography:ツールなしで46.4%(Haiku 4.5は6.4%)
GDPval-AA v2.1は、44の職業にまたがる実務を評価する指標です。OSWorld 2.1では、コンピューターを操作して複数段階の作業を完了する能力を測定します。
Anthropicは、複雑なエージェント型コーディングにはSonnet 5.5やOpus 5.5が適していると説明しています。Haiku 5.5は、要約や情報の圧縮、補助エージェントなど、対象を絞った処理に位置付けています。
API料金は入力の長さで2段階に設定
Haiku 5.5のAPI料金は、プロンプトが10万トークン以下の場合と、10万トークンを超える場合で異なります。以下はいずれも100万トークンあたりの米ドル建て料金です。参照元には税込・税別の記載がありません。
プロンプトが10万トークン以下の場合
入力トークン:0.10ドル
出力トークン:0.50ドル
キャッシュ読み取り:0.01ドル
キャッシュ書き込み:0.125ドル
プロンプトが10万トークンを超える場合
入力トークン:0.50ドル
出力トークン:2.50ドル
キャッシュ読み取り:0.05ドル
キャッシュ書き込み:0.625ドル
Haiku 4.5と比較した単価の引き下げ幅は、10万トークン以下で90%、10万トークン超で50%です。従来のHaikuモデルでは、リクエストの約90%が10万トークン以下に収まっていました。
Anthropicは、タスクあたりの実行コストが平均で約75%低下するとしています。この計算には、単価の変更に加えて、トークンの分割方式の更新も反映しています。Haiku 5.5は、同じ作業で使うトークン数がHaiku 4.5よりわずかに増えると説明しています。
安全対策と提供先
Anthropicによると、Haiku 5.5は、ほぼすべてのアライメント評価でHaiku 4.5から改善しました。不適切な挙動や、不正利用への協力が減少したとしています。
サイバーセキュリティの安全対策は、Haiku 4.5より厳しく設定しています。一方、Sonnet 5.5より広い範囲の防御目的の作業を許可します。侵入テストなど、攻撃者に利用されやすい手法は制限します。
生物分野の安全対策は、Sonnet 5、Sonnet 5.5、Opus 5と同じです。研究に関する質問を許可しつつ、危害につながる可能性が高いと判断した要求を制限します。
提供先にはClaude Platform、Amazon Web Services、Google Cloud、Microsoft Azureが含まれます。Claude Platformで指定するモデルIDは「claude-haiku-5-5」です。
Sonnet 5.5の値下げと月次APIクレジットも発表
同日から、Sonnet 5.5のキャッシュ読み取り料金を50%引き下げました。100万トークンあたり0.20ドルから0.10ドルに変更しています。Anthropicは、多くのエージェント型タスクで実行コストが約20%低下すると説明しています。
また、MaxとTeamの契約者向けに、Claude Platformで使える月次APIクレジットを発表しました。提供開始は発表週内の予定です。
Max 5x:毎月100ドル分
Max 20x:毎月200ドル分
Team:ユーザー間で共有する最大500ドル分
クレジットは、いずれのモデルにも利用できます。APIを呼び出すツールやアプリ、エージェントの開発を支援するために設けています。
開発者向けには、PythonおよびTypeScriptのClaude SDKを更新します。コンピューター操作とブラウザー操作への対応をベータ版で追加します。
出典:
Anthropic 公式サイト(Introducing Claude Haiku 5.5)
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